IE SMU MBAを初めて知ったのは、Full-time MBAへの留学は難しいけれどもどうしてもMBAを諦められず、海外のOnline MBAを探していた時です。その半年後に入学し、慌ただしくも充実した1年間を経て2016年10月に修了しました。
マドリードのIEキャンパスで修了証書を手にした時、言葉では表せないほどの達成感がありました。
ここにいくつか体験談を交えながらIE SMU MBAのユニークな特長を紹介したいと思います。MBAを目指す方へ参考になれば幸いです。
Blended MBA:IE SMU MBAはBlended、Face to Face (F2F) × Online の融合
F2Fピリオドでは「交渉」「プレゼンテーション」「プロジェクトマネジメント」など顔を付け合わせてこそ学べるスキルを朝から晩まで集中的に鍛えます。理論×実践を通じ習熟度が格段に上がります。
授業が終わればクラスメートと共に食べて飲んでの毎日で、ここぞとばかりにWork hard Play hardの精神で街に繰り出しては仲を深めます。
Onlineピリオドは月曜から木曜までOnline Forum、土曜はVideo Conferenceです。Online Forumは教授も交えてケースメソッドさながらのディスカッションで各自5×5、つまり5行を5回投稿するルールです。クラス全員参加の白熱した議論は忌憚ない意見が飛び交い、最初は気後れしますがすぐに慣れます・笑。
投稿はアイデアや意見が質的に高いかどうかが重要であって、英語力は二の次です。投稿を通じて、ディスカッションに貢献できている実感が自信につながります。
Video Conferenceは講義中心ですが、時にグループプレゼンテーションやクイズが行われることもありました。全て録画されており、欠席しても後から追いつくこともできますし、ちょっと聞き逃したなみたいなことがあっても安心です。
IE SMU Advantages
1. Interactive
クラスメートは皆住んでいるところはバラバラですが、Online MBAと聞いて想像するようなただ個人でパソコンに向かうばかりの勉強とは全く異なるものでした。
5回のF2Fピリオドは世界中からマドリッド/シンガポールに集まり、合宿さながらの密度の濃い時間を共に過ごします。加えて、Onlineピリオドではほぼ毎週のようにグループレポートまたはグループプレゼンテーションが課せられ、5-6人から成るグループとして提出します。
さらに後述のコンサルティングプロジェクトが10カ月にわたり並行していますので、常に授業とプロジェクトの2つのグループワークに取り組んでいました。
授業や課題は量も多く質も高いので大変ですが、クラスメートと協働して培うソフトスキルや経験はハードスキルに勝るとも劣らない学びです。
2. Project-based Learning
コンサルティングプロジェクトが必修科目です。それぞれ業界や部門が異なってプロジェクトの中から自身の希望及びクライアントの要望を総合して参加プロジェクトが決まります。IE SMUプロジェクトの特長として、期間が10カ月と長く最終提案も含めて最低でも3-4回は各F2Fの度にクライアント及び教授に進捗をプレゼンします。そのせいかF2F前はプレッシャーが大きく、どのグループも必死に成果を絞り出そうと奮闘していました。
私が参加したプロジェクトはシンガポールの化学工場における自動運転トラックの導入でした。結果的にクライアントに良い提案ができお褒めの言葉も頂けましたが、それまでの道のりは平坦なものではなく、ベンダー探し、投資利益率、リスクマネジメントなど様々な課題がありました。しかし、それらを一つ一つ解決していく中で、授業で学んだ知識を応用したり、公認会計士のチームメイトからファイナンスの手ほどきを教わったりと成長曲線が上向いていきました。F2F前にプレゼンテーションを推敲して、チームで何度も繰り返しリハーサルをしたのも今では良き思い出です。
3. Diverse and Close-knit Community
IE SMU MBAは1学年30人ちょっとと小さめのプログラムです。入学も卒業も年1回しか設定されておらず、かつ授業は全て必修のためクラスメートは入学から卒業までずっと一緒です。言うならばクラス替えがない学校のようで、自ずと顔と名前だけでなく、どこでどんな仕事をしているかまでほぼ覚えられるサイズです。それでいて国籍、居住地はもちろんのこと、業界や専門性もバラエティに富んでいます。あまり馴染みのない科目であってもほぼ間違いなく同じグループ内に経験豊富なメンバーがいて助けてくれます。
協力的なコミュニティーはIE SMUの財産であり、卒業後の今でも交流が続いています(日本は観光地として大人気で春夏秋冬クラスメートの誰かが旅行に来ています)。
4. Return on Investment
MBAは時間的にも経済的にも大きな投資であり、また留学に伴う引っ越しや離職など環境変化を難しいと感じている方も少なくないのではないでしょうか。しかし、IE SMU MBAは皆仕事をしながら学んでいます。少なくとも5回は現地に行くのはそれなりに負担ではあるものの、離職不要ですので機会損失は大幅に小さいです。
仕事が充実してこのまま続けたい、もしくは家庭の事情もあって今の環境から離れるのは難しいけれどもMBAを通じてステップアップしたい方にとってIE SMU MBAは一つのオプションかと思います。